君の声が聞こえる
僕を悩ませていた頭痛はウソのように治まっていた。
もともと、自分の気持ちが空振りしている事が原因で起こっていたと思われる頭痛だ。
その原因がいない今を逃したら、また頭痛がぶり返してくる結果になるだろう。
僕は急いで初診受付に走って行き、受付を取り消してもらった。
保険証を返してもらって、雅巳のところに戻ると、彼女は不思議そうな顔をしいていた。
「加藤、具合悪いんじゃないの?診てもらった方が良くない?」
「いや、具合悪いって言うかさ、頭痛がひどかったんだ。でも、治まったから、ここで何時間も時間潰すの嫌なんだ」
「また、ぶり返してくるかもしれないからちゃんと診てもらった方が……」
「また痛くなったら病院に来るよ。どうせ、毎日大学まで通ってるんだしな」
そんな事より、今はせっかく神様がくれたこのチャンスを逃したくない。
「そうなの?」
「うん」
雅巳はそれ以上、追求するような事はしない。それが彼女の数多い長所の一つだ。
「じゃ、途中まで一緒に帰る?」
もちろん、そのつもりで受付を断ったのだから一緒に帰るに決まっている。
そう心で呟きながら僕は雅巳と並んで歩き始めた。
もともと、自分の気持ちが空振りしている事が原因で起こっていたと思われる頭痛だ。
その原因がいない今を逃したら、また頭痛がぶり返してくる結果になるだろう。
僕は急いで初診受付に走って行き、受付を取り消してもらった。
保険証を返してもらって、雅巳のところに戻ると、彼女は不思議そうな顔をしいていた。
「加藤、具合悪いんじゃないの?診てもらった方が良くない?」
「いや、具合悪いって言うかさ、頭痛がひどかったんだ。でも、治まったから、ここで何時間も時間潰すの嫌なんだ」
「また、ぶり返してくるかもしれないからちゃんと診てもらった方が……」
「また痛くなったら病院に来るよ。どうせ、毎日大学まで通ってるんだしな」
そんな事より、今はせっかく神様がくれたこのチャンスを逃したくない。
「そうなの?」
「うん」
雅巳はそれ以上、追求するような事はしない。それが彼女の数多い長所の一つだ。
「じゃ、途中まで一緒に帰る?」
もちろん、そのつもりで受付を断ったのだから一緒に帰るに決まっている。
そう心で呟きながら僕は雅巳と並んで歩き始めた。