禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「まだいるのか?」



目をつぶってるはずなのに。



あたしの気配がするの?



そんなに、あたしがここにいたらいけない?



「出て行くからいいでしょ?」



冷たく言いたくなかった。



神楽が突き放すから。



あたしまで、突き放さなきゃいけないみたいで。



ギュッと手を握り締めると、重たい足で部屋を出て行こうとドアを少し開けた。




でも…




寝ている神楽の顔をジッと見つめた。



トクン



って、あたしの鼓動は脈を打って。




ゆっくりと神楽にキスをした。



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