禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
そっと、イスの上にひざを乗せて。


プチン

プチン



ひとつずつシャツのボタンを外していく。



恥ずかしくて、普段なら絶対にしないのに。



心が離れてしまいそうで。



不安を誤魔化したくて。



体だけでも繋がっていたかった。



「……おっ。」



パチッと目を覚ました神楽。



ビックリして、何かを言いかけてたけど。



キスで言葉を遮った。



もし、今ここで神楽に拒絶されたら。



あたしには、何もなくなっちゃう気がして。



眩暈のような感覚が、体中を駆け抜ける。


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