禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「2週間後に、大事な茶会があるんだ。その日までだったらいてもいいから。」



茶道の家元ともなれば、事情は色々あるだろうし…。



行く所もないし。



2週間もすれば、母親もいなくなるかな?



神楽のあの態度が気になるだけ。



それだけが不安材料。



「…分かった。」



少しの間に、あたしの不安が混じってる。



「すぐに部屋を用意させるね。」



ニッコリと微笑むと、躙り口(にじりぐち)から出て行った。











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