禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
■罪人(つみびと)■
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昨日は、寝つけなかった。



目を閉じると、神楽のあの顔が浮かんできて。



それに、久しぶりに1人でベッドで寝るのは、なぜか寒く感じちゃって。



朝日が目に痛いくらい突き刺さる。



さて、制服とか着替えとか…。



一度は神楽の家に取りに行かなきゃ。



それを考えると、ため息しか出てこない。



神楽は昼間はいないし。



大きなお屋敷だから、母親にも会うことはないかな?



鎖で繋がれているかのように、宮埜の家から一歩を踏み出すのが重たく感じる。



神楽の家まで、歩いていく間もずっとため息ばかりついていた。

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