禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「あっ、自由に座っていいって。」



話をはぐらかしたくて。



教室の黒板に書かれてる文字を読んだ。



「本当に?じゃあ、空いてそうな…。」



グルッと英里奈が教室を見回す。



「ほら、窓際が2つ空いてる。」



一番最初にあたしが座って。



その前の席に、英里奈が座って。



「よかったね。」



ホッと肩を落とす。



「うん。バラバラだったら最悪。」



机に頬杖ついて。



教室中から、視線を集め始めた。

< 12 / 341 >

この作品をシェア

pagetop