禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
英里奈は宮埜が好きだから。



例えどんな理由でも、他の女と一緒に住むのは嫌だよね。



「そこしか思い当たらなくて。ごめんね。」



チラッと英里奈の顔を見た。



「謝らなくても…。」



なんか、英里奈がおかしい。



怒ってるのとは少し違って。



寂しそうな顔をして、唇をかみ締めながら視線は斜め下を見てる。



突っ込んで聞いてもいいのかな?



どうやって会話していいのか分かんなくて。



2人でうつむいたまま、沈黙しちゃってる。



「なぁ…異様な空気放つくらいなら、ハッキリと言っちゃえば?」



晴沢がポンとあたし達の肩を叩いた。

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