禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「あ…ぁうん…。」



英里奈と同時に、晴沢の顔を見た。



晴沢を見ていた顔をゆっくりと英里奈に向けた。



英里奈も、ゆっくりとあたしの顔を見た。



あたしは、ひざの上に置いてあった手をギュッと握り締めた。



「あの…。」



英里奈とハモッちゃった。



そのまま会話がまた止まって。



沈黙が再び始まった。



数秒が数分に感じられるくらい長くて。



「はい、カット!!!」



いきなり、晴沢がバチンと手を叩いた。

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