禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「和むような話じゃないでしょ?」

「そうそう。」



英里奈が大きくうなずいた。



パチッ



英里奈と目が合う。



クスッと同時に笑った。



いつの間にか、固まった空気がほぐれてくれて。



だけど、少しの沈黙。



大きく英里奈が深呼吸した。


「あのね、宮埜さんが結婚するかもって…。」



グッとかみ締められてる唇から、こっちにまで切なさが伝わってくる。



「ウソでしょ!?」



あたしには、そんな話してなかった。

< 128 / 341 >

この作品をシェア

pagetop