禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
いつものこと。



ヒソヒソと、みんなが話してる。



どうせ、神楽のお嬢様が…



って、噂してるんでしょ?



「始まったね。始業式好例のお嬢様見物。」



英里奈が笑いをこらえてる。



「ヒドイ。あたしは珍獣じゃないのに。」

「珍獣より珍しいよ?本物のお嬢様なんて。」


「英里奈まで?」

「冗談。こんなに普通なのにね?」


「でしょ?」



英里奈は、小学校から一緒で。



転校した学校で、初めて話しかけてきてくれた人。



周りは、腫れ物でも触るかのように接してきたのに。



英里奈は、普通の小学生として接してくれた。



あたしの一番の親友だ。



「ねぇ…キミが神楽って言うの?」



勇者登場か?

< 13 / 341 >

この作品をシェア

pagetop