禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
施設で育って、神楽に引き取られた事は2人は知ってる。



でも、施設に入れられた理由まで知らないし。



教室の中で、生い立ちなんて話せない。



誰かに聞かれても嫌だから。



ゆっくり目をつぶると、深呼吸した。



「そんなにマズイ話なのか?だったら、ちょっと来いよ。」



ガタッ



イスから立ち上がると、あたしと英里奈の手を掴んだ。



「どこ行くの?」



グイグイと引っ張られる腕。



何も答えてくれない。



英里奈と目を合わせて、お互いに首をかしげた。









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