禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「いないって?」



英里奈が真顔で突っ込んだ。



「母親はオレが小学生の時に、男と駆け落ち。元々、キャバクラで働いてて、親父と知り合ったらしくて。デキ婚したのはいいけど、親父の収入だけの地味な生活がイヤだったんだって。」



初めて聞く晴沢の生い立ち。



「それで、男と駆け落ち?」


英里奈がビックリしながら、晴沢に突っ込んで聞いてる。



あたしは何も聞けなくて。


ただボー然としてた。


いつも明るい晴沢に意外な過去があった事に驚いてるだけ…。

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