禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「まぁね。オレを産んだ後も、男を日替わり状態だったんだって。オレのためにって、離婚はしなかったみたいだけど。とうとう、駆け落ちしちゃった。親父と2人の生活が4年は続いた。だけど、親父が仕事でケガして入院して。親戚の家に預けられたんだ。」
「お母さんには連絡つかなかったの?」
「1度だけ会ったよ。親戚の家に預けられた時、たまたま、親戚の人が連絡取ってるのを聞いちゃって。小学生のガキが、1人で新幹線乗って青森まで行ったよ。」
「そんな所まで!?」
「その時は、母親が駆け落ちなんて知らなかったから。父親が病気って知ったら、帰ってきてくれると思った。」
「お母さん、喜んでくれたでしょ。」
「まさか…オレを見ることもなく、知らないって言われた。その後、親父が実はガンだって知って。2年前に死んだ。だから、オレは今でも親戚の家で暮らしてるんだ。子供が出来ない夫婦だったから、可愛がってはもらってるけどね。」
笑って話す晴沢。
普段の晴沢からは、想像出来ない話。
温和で優しくて…。
見た目はちょっと怖いけど。
てっきり、両親に大事にされて温かい家庭で育ったかと思ってた。
「お母さんには連絡つかなかったの?」
「1度だけ会ったよ。親戚の家に預けられた時、たまたま、親戚の人が連絡取ってるのを聞いちゃって。小学生のガキが、1人で新幹線乗って青森まで行ったよ。」
「そんな所まで!?」
「その時は、母親が駆け落ちなんて知らなかったから。父親が病気って知ったら、帰ってきてくれると思った。」
「お母さん、喜んでくれたでしょ。」
「まさか…オレを見ることもなく、知らないって言われた。その後、親父が実はガンだって知って。2年前に死んだ。だから、オレは今でも親戚の家で暮らしてるんだ。子供が出来ない夫婦だったから、可愛がってはもらってるけどね。」
笑って話す晴沢。
普段の晴沢からは、想像出来ない話。
温和で優しくて…。
見た目はちょっと怖いけど。
てっきり、両親に大事にされて温かい家庭で育ったかと思ってた。