禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「…殺人者。」



ボソッとつぶやいた。



自分でも分からない。



胸の中の何かが支(つか)えてて。



その重みが苦しくて。



思わずつぶやいてる自分がいた。



「え!?」



晴沢の小さな問いかけ。



「あたしの本当の母親は、殺人者なの。」



ハッキリとじゃない。



小さな声で、2人の返事を確かめるように口を開いた。



「ウソでしょ?」



笑ってる英里奈。



こんな話、冗談にしか聞こえないでしょ。

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