禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「……じゃあ、神楽さんの母親の再婚相手が宮埜さんで、神楽さんの本当の父親って事だよな?」



刺々(とげとげ)しい空気を引き裂いてく。



重たい口調なんかじゃなくて。



驚いてるけど、優しさがこもってる。



「そういうことでしょ?宮埜は違うって笑ってたけど。英里奈の話と繋げれば、そうとしか考えられない。」



チラッと視線を英里奈に向けた。



今にも泣き出しそうな顔をしながら、唇を震わせてうつむいてる。



「まだ宮埜さんって、決まったわけじゃないんだ。2週間後まで、希望は捨てずにいよう?」



晴沢が、うつむくあたしたちの顔を覗きこんだ。


< 145 / 341 >

この作品をシェア

pagetop