禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
ゆっくりと後ろを振り返った。



体中が凍り付いて。



血液が氷水のように冷たく感じる。



英里奈は、顔を上げられないみたい。



体が震えてるのが分かる。



「本日、皆様に報告したい事…」



ドクン

ドクン



男が話すたびに、鼓動が高鳴って。



今日は小春日和で、暖かいはずなのに。



吹雪の中にたたずんでるかのようにここだけ寒い。

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