禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「…親友の神楽が、この度、結婚する事になりました。」



その部分だけ、ハッキリと聞こえた。



耳を疑いたい。



神楽が母親と結婚!?



じゃあ、あたしの本当の父親って…。



神楽ってこと?



ウソだ。


冗談でしょ!?



人混みにまぎれてるのに。



あたしの視線は神楽とバッチリ合ったまま。



「急なお話で、関係者に報告も出来ませんで。場違いとは思いましたが、親友の宮埜の配慮で、この場を借りて日頃お世話になっている皆様に報告申し上げます。」



瞬きもせず、ジッとあたしと視線を合わせる神楽の目。

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