禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「オレだって、信じたくなかったよ。でも…。」


「でも何?」



あたしの追及は止まらない。



だって、聞きたい事がいっぱいありすぎて。



「DNA鑑定。」



ポソッとつぶやいた。



「なにそれ?」



力いっぱい掴んでたはずの宮埜の胸元。



ゆっくりと力が抜けていく。



「神楽も信じてなんかいなかった。だけど、奏凛ちゃんの母親が2人のDNA鑑定の結果を持ってきて…。」


「まさか…。」



「…一致した。」



重たい口をゆっくり開いて。



あたしの手を取ると、ジッと目を見た。

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