禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「いいか?現実を見るんだ。今でさえ、神楽家ともなれば、政略結婚だ金や地位目当ての結婚が、あの手この手で迫ってくる。奏凛ちゃんの事に付け入れられるのは目に見えてるんだよ。だから、神楽なりにずっと一緒にいる術(すべ)を考えたんだ。」
「…最初から、あたしじゃダメってことだったの?お金なんかじゃなくて、神楽の家とかじゃなくて…人として好きだけじゃダメ?まるで、初めからあたしじゃずっと一緒にいられないみたいじゃん!?」
ぎゅっと手を握り締めて。
視線は泣きそうなのがバレないように下を見て。
グッと唇をかみ締めた。
「…違うと思う。」
微かな声で反論した。
「…最初から、あたしじゃダメってことだったの?お金なんかじゃなくて、神楽の家とかじゃなくて…人として好きだけじゃダメ?まるで、初めからあたしじゃずっと一緒にいられないみたいじゃん!?」
ぎゅっと手を握り締めて。
視線は泣きそうなのがバレないように下を見て。
グッと唇をかみ締めた。
「…違うと思う。」
微かな声で反論した。