禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「校則違反で、親が呼び出し食らうしな。」



ため息混じりの晴沢。



この口調、経験済みだな。



「って、そこまで派手にはしないでしょ?」



半分呆れて半分笑ってる英里奈。



でも、あたしの両手はシッカリと髪を握り締めている。



だって…

だって…



「見てみたいけどな。神楽さんのギャル姿。」



ニッコリ笑いながら、晴沢が顔を覗きこんでくる。



「似合いそう!!」



英里奈まで、マジマジと顔を覗きこんでる。



「…ごめん。できない。」



2人の顔を反らすように、髪を握り締めながらうつむいた。



「奏凛はマジメなんだから。チョットくらいのカラーリングだったら大丈夫!!」

「そうじゃなくて…。」



だって…

だって…


この髪は…

< 188 / 341 >

この作品をシェア

pagetop