禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「大丈夫。」



ニッコリと笑った。



「じゃあ、気持ちを切り替えて、大声でも出しにいきますか?」



英里奈が大きく腕を掲げた。



「大声ってなんだよ?」

「やっぱさぁ、ストレス発散は大声出すに限るでしょ?」



ずいぶんと力がこもってる。



「まさか、川原の土手で、青春ゴッコでもする気かよ?」



晴沢の顔が引きつってる。



「まさか…大声って言ったら、カラオケしかないでしょ!?」

「そっちの大声ね…。」



晴沢とハモッてしまった。



あたしはてっきり、海でも行って叫ぶのかと思ってたから…。



「早速行きますか!!…と、その前に。」



英里奈が制服のポケットから、携帯を取り出してどこかにメールを始めた。

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