禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「だって、泣かされるようなことでしょ?」

「…宮埜さん、これ以上、期待させちゃいけないからって…。」



小さくつぶやいた。



「期待させちゃいけないって?」

「このまま、ダラダラと曖昧な関係でいても、仕方ないからハッキリさせたいって。」


「宮埜は、その先なんて言ったの?」



人の恋愛なのに。



まるで、自分が告白の返事を聞くみたいに緊張してる。



ぎゅっと握り締める手には、ジンワリと汗が滲んでる。


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