禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「いないと思うよ?他の男を思ってる女をひっそりと見守るなんて。」

「心当たりないけど?」


「ホント鈍感。いるでしょ?」

「…いない。」



考えても出てこない。


宮埜は英里奈とくっついてるし…



「まったく!!晴沢がいるでしょ?」

「それは、友達だからでしょ?」


「違うって。奏凛が学校来ない間、ずっと、ノートとか奏凛の分まで取ってたし。会えないって分かってても、変な気を起こしてないかって、家の前まで行ってたらしいよ?チラッとでも奏凛が晴沢の姿見て、元気になればって思ったらしくて。」


「…そうだったんだ。」


メールは来てたけど。


そんなの、一言も言ってなかった。


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