禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「何やってんの?」



声が震えてる。



「ここじゃなきゃ、ゆっくり出来ないこと。」


「ちょっと!!冗談でしょ?」



「冗談だと思う?」



ゆっくりと、ブラウスの上から体のラインを指でなぞっていく。



「だって、宮埜は英里奈がいるでしょ?」


「あれ、ちゃんと聞いてなかった?」



「ちゃんとって?」


「伝統と格式、家柄を重んじるオレの家は、神楽が結婚したら、実子である奏凛ちゃんと政略結婚させる気でいるって。」



「…そんなの…聞いてない。」



英里奈は高校卒業しても、お互いが好きだったら付き合おうって言われたって。



「前から奏凛ちゃんには、興味があったんだけど、さすがに神楽のモノだったしね。」


「最初から、そんな事を考えてたの?」



最低!!


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