禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「だって、あの神楽が心底惚れるくらいだよ?興味あるだろ?」



ドクン

ドクン



真剣な宮埜の目に、驚きと不安で心臓の鼓動がスピードを上げてる。



「あたしは、宮埜に興味ない!!」



フイッと顔を逸らした。



「興味の問題じゃないんだよ。政略結婚なんてこんなものだよ。」



耳元で優しくつぶやいた。



「でも、英里奈は?」



もう、良心に訴えるしかない。



「どんな形でも、そばにいられればいいって。了承済み。」


「そんなのって…。」



「来年には結婚するんだから。遅かれ早かれ、やることは一緒でしょ?」



ゆっくりと宮埜の唇が近づいてくる。


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