禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「そういうことね。」



そんな話が出たってだけね。



「…さて、本題だ。」



フッと宮埜がため息をついた。



「ここから?」



政略結婚の話じゃないの?



「神楽には、最後にいつ会った?正確には、いつ会話した?」



いきなり、宮埜の顔が真剣になった。



「いつって…家出した日。」



結婚発表の日でさえ、会えただけで。



今は話すことも、近づくこともできない。


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