禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
■別れの時間■
************



一晩中、茶室にいた。



朝日が差し込む躙り口(にじりぐち)。



壁に背を当ててうずくまりながら、躙り口から差し込む朝日をボーっと見てた。



もう、涙なんて出てこない。



一晩中泣いたから?



ガタッ…



突然、躙り口(にじりぐち)が開いた。

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