禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
婚約発表のパーティってだけで、ここまで人が集まるんだもん。
ボー然と会場内を見てた。
「奏凛ちゃん。控え室行かなくていい?」
耳元で宮埜が囁いた。
「控え室?」
なんの控え室だろう?
「神楽がいるはずだから。」
トクン…
会場内に圧倒されてたはずなのに。
神楽がここにいるって分かったら、急に甘い鼓動が脈打ち始めた。
「…いいの?」
「当たり前だろ?神楽の人間なんだから。」
ニッコリと笑った。
「う…うん。」
トクン
トクン
変に緊張しちゃって。
甘い鼓動が体を熱くさせる。