禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
泣き顔なんか見られてくなくて。
思いっきり泣き叫びたくて。
神楽がここにいるのに。
手が届かないもどかしさ。
拒絶された痛みが、今になって爆発してる。
神楽が好きで好きでたまらない。
あの声を耳元で聞きたいよ。
もう一度、あの大きな手で抱きしめて欲しいよ。
神楽の髪に…
神楽の唇に…
触れたい。
こんなに深く思っても。
届かない思いに胸が潰されて。
立つことも出来なくて、廊下の真ん中で泣き崩れた。