禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

「大丈夫?」



心配そうに宮埜が声をかけた。



「…う…。」



声を発することも出来ない。



「ちょっと、向こうで休んでなよ。」



そう言って、控え室と書かれている部屋に連れてきた。



「ごめ…。」



涙で言葉にならない。



「いいよ。ここならゆっくり泣けるだろ?挨拶済んだら帰ろう?」


「う…うん。」



何回も縦に首をふった。

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