禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~


「お前には、もっと深い色が似合う。やっぱり、オレが見立てないとダメだな。」



耳元で囁く言葉。



体がゾクッと脈打つ。



「か…かぐ…神楽。」



神楽の体温を感じるたびに、体が震えてく。



何も考えられない。



目隠しで神楽の顔なんか見えないのに。



神楽があたしを求めてるのが、ハッキリ分かる。



あたしも、神楽を求めてる。



神楽がこんなにも、体に刻み込まれてて。



溶けてしまいそうなほど、熱くなったそれの形を思うだけで。



その先を想像して、神楽を求めすぎてく。

< 262 / 341 >

この作品をシェア

pagetop