禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

「そういう問題じゃなくて。」

「どういう問題?あっ、お友達だったのよね?安心して。留学すれば、二度と会うこともないから。イジメられることもないでしょ?」


「英里奈はそんなことしない!!」

「だったら、気にすることないじゃない。」


「どうして…どうして、ここに現れたの?アンタが消えれば、何もかも元通りになるんだから。」


胸倉を掴んでいたはずの手が。


いつの間にか、母親の首を力いっぱい絞めていた。


「…なる…はずない…でしょ。」


息も絶え絶え。


苦しそうに顔を歪めて。


力いっぱい絞めてる手を必死に払おうともがいて。


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