禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
送ってくれた宮埜を背にして。



晴沢と2人。



空港の中に入った。



新しい出発に、少し心が浮き足立ってる。



「たしか、宮埜さんが荷物を空港に送るって言ってたな。オレが取りに行ってくるから、ここで待っててよ。」

「うん。ありがとう。」



笑顔で返事をすると、そばにあったイスに座った。



晴沢と留学なんて、不思議な感覚。



初めて出会った入学式では、こんなこと想像もしてなかった。



色々あったけど、いつも晴沢がそばにいて励ましてくれたな。



きっと、晴沢となら、向こうに行っても楽しくやっていける。



そんな気がする。

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