禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「ダレが1人で入るだ?」



ツカツカと目の前まで歩いてきて。



「高校生になったんだし、恥ずかしいでしょ?」



威圧感いっぱいの神楽は怖いけど、あたしの小さな勇気。



「人に見られて恥ずかしいような、体にした覚えはない。」



グッと腕を掴みあげた。




「そういう問題じゃなくて…。普通に考えて入らないでしょ?」

「普通?お前が普通の人間か?」


「それって、あたしが人殺しの娘だから堕落した人間って言いたいの?」



神楽の人形に成り下がってろってことでしょ?



「堕落だと?」



掴みあげられた腕が痛い。

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