禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「だったら、何であたしを引き取ったの?」

「…まあ、そろそろいいか。理由を教えてもな。」



バンッ!!!



ベッドの上に放り投げられると、制服のボタンが宙を舞った。



「ヤッ!!!」



ジタバタともがいても、神楽の力には勝てない。



「お前の細胞ひとつひとつに、本物の堕落を教えてやるよ。オレが教えたかった全てをな。」



耳元で囁く言葉は、冷酷であたしの体の全てを引き裂いていくかのよう。



それなのに、どこか甘味な口調で。



全てを拒絶したいのに、胸の中の何かが小さく温まっている。



心までおかしくなった?



やっぱり、あたしはこのために引き取られたんだ…。

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