禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「…そうみたいです。」


神楽のお父さんが放つオーラが重たくて。



恐る恐るしか答えられない。



「うちがどういう家柄だか知っているね?」

「はい。」



「まぁ…若いときの浅はかな行動は仕方ない。それに、キミの母親は殺人者でキミは施設で育っているから、バカな考えしか出来ないだろうが。」



グサッ

グサッ

って、一言一言が心をえぐる。



「あ…あたしは。」


言い返したいことはあるのに。



「いいかね?私はキミ達親子の存在は認めていない。まして、キミと柊真の関係は見過ごしてきたつもりだ。」



冷徹にあたしの言葉をさえぎる。




< 330 / 341 >

この作品をシェア

pagetop