禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「細かい事実は関係ないんだよ。そういう事実はあったわけだ。…私も、柊真の趣味をどうこう言うつもりはないが、立場をわきまえ、世間の目を考えろと言っているんだ。」


「世間の目ってなんですか?」



「ここで、キミ達親子を切るのは簡単だ。しかし、世間に公表でもされたら、ダメージは計り知れない。だから、キミの母親の結婚を許したし、キミを認知することも許可した。」


「だったら、何も言うことはないじゃないですか?」


「分かるかい?キミが勝手なことをすれば、全てが水の泡なんだよ。キミの将来も考えているからこその言葉だ。」



「あたしの将来?」

「まだ高校生だろ?このまま、宮埜さんのところに嫁げば、将来は何も心配することはない。まして、こちらは莫大な金額を積んで、キミ達親子の過去を消しているんだ。」



宮埜との結婚は、神楽のお父さんの考えだったんだ。



だから、神楽も反対できなかったってこと?



それに…。

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