禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

「お金の問題ですか?」

「キミも…柊真も…2人の将来だ。分かるかい?」


「あたしと神楽の将来?」

「もし、キミが何か起こして、柊真とのことや母親の過去が世間に知れてみろ。柊真はすぐに失脚するぞ。」



ジッとあたしの目を見た。



冷たくて深い闇が広がる神楽のお父さんの目。



神楽の将来がなくなるってことでしょ?



そんなの



「…分かりました。」



って答えるしか出来ない。



ドクン



って、大きく鼓動が鳴って。



あたしの淡くて小さな小さな期待は。

< 333 / 341 >

この作品をシェア

pagetop