禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「お金の問題ですか?」
「キミも…柊真も…2人の将来だ。分かるかい?」
「あたしと神楽の将来?」
「もし、キミが何か起こして、柊真とのことや母親の過去が世間に知れてみろ。柊真はすぐに失脚するぞ。」
ジッとあたしの目を見た。
冷たくて深い闇が広がる神楽のお父さんの目。
神楽の将来がなくなるってことでしょ?
そんなの
「…分かりました。」
って答えるしか出来ない。
ドクン
って、大きく鼓動が鳴って。
あたしの淡くて小さな小さな期待は。