禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

最初から、あたしが存在してなければ良かったんだ。



あたしが産まれてなければ、こんなことにはならなかった。



…神楽も、母親と結婚することもなかった。


…宮埜は、英里奈と別れさせられることもなかった。



…英里奈は、宮埜と別れさせられることもなかった。



…晴沢だって、こんなことに巻き込んじゃったし。



あたしが存在しなければ良かったんだよ。



「奏凛ちゃん、変なことは考えるなよ。」

「えっ!?」



何で分かるの?

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