禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

「計画が失敗したのも、きっと監視されてたからだと思う。」

「誰に?」


「神楽の父親に。」

「どうして分かるの?」



「オレは、神楽に奏凛ちゃんが駆け落ちしたってメールしただけ。どうして神楽の父親が知ってる?それに、英里奈や晴沢くんのことまで知ってた。」


「じゃあ、今も監視されてるって事?」

「だろうな。」



スッと宮埜が立ち上がった。



「どこ行くの?」

「お茶を入れるよ。落ち着くよ?」


「こんな時にお茶なんか。」

「いいから。」



そう言って、あたしの手を引っ張ると、茶室に連れて行った。

< 336 / 341 >

この作品をシェア

pagetop