禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「計画が失敗したのも、きっと監視されてたからだと思う。」
「誰に?」
「神楽の父親に。」
「どうして分かるの?」
「オレは、神楽に奏凛ちゃんが駆け落ちしたってメールしただけ。どうして神楽の父親が知ってる?それに、英里奈や晴沢くんのことまで知ってた。」
「じゃあ、今も監視されてるって事?」
「だろうな。」
スッと宮埜が立ち上がった。
「どこ行くの?」
「お茶を入れるよ。落ち着くよ?」
「こんな時にお茶なんか。」
「いいから。」
そう言って、あたしの手を引っ張ると、茶室に連れて行った。