禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

宮埜の立ててくれたお茶は、相変わらず苦かった。



「さて、ここなら誰も入れないから。」



フウッと宮埜が深呼吸した。



「そうか。だから茶室に連れてきたんだ。」

「そういうこと。」



別棟だから、人の気配とかすぐ分かるってことね。



「…奏凛ちゃんが来る前、神楽の父親が全てを話した。」

「全て?」



「調べたみたい。奏凛ちゃんの交友関係とか。」

「それで英里奈や晴沢のことも知ってたの?」



「ああ。それで言われたよ。英里奈は一般家庭だって。」

「関係ないじゃん?」



「違う。あの父親の言う一般家庭は、潰すことも出来るってこと。」



まさか…

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