禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

宮埜が真っ青だったのは。



「宮埜も交換条件付けられたってこと?」

「そうだ。」



重たく返事をした。



「そうだったんだ。」



あたしが神楽の将来を考えたように、宮埜も英里奈の将来を考えたんだ。



「今回の騒ぎがあったから、当分は監視されるだろうね。」

「…うん。」



あたし達にバレないようにね。



ひっそりと。



ここで何かして、あたし達がみんなの将来を潰すわけにいかない。



だったら…



震える体で。



ゆっくりと宮埜の顔に近づいて。

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