禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「どうしたの?」
少し驚いてる宮埜。
「だったら、いっそのこと…。」
唇も震えてた。
宮埜の唇に触れたからじゃなくて。
自分でもこの震えの原因が分かんないけど。
ただ、涙が出てるのは分かった。
「奏凛…ちゃん?」
唇を離した宮埜は、遊び人だったと思えないくらいビックリした顔をしてる。
「…もう、逃げられないんでしょ?だったら…だったら、あたし達も本当にならなきゃ…。」
涙と鼻声で、うまく話せないけど。
「…本当に、それでいいの?」
しっかりと宮埜の目があたしを見てる。