禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「それしか、選択手段ないでしょ?」
「選択手段がどうとかじゃなくて、奏凛ちゃんの気持ちを聞いてるの。」
「あたしは…。」
もう、心まで落ちてる。
答えが分からないくらい。
深い…
深い…
真っ暗な奈落のそこまで。
「奏凛ちゃんの気持ちがなかったら、オレは承諾できない。」
本気だって分かるくらい。
真剣な宮埜の顔。
「…あたしは、宮埜と一緒だよ。」
ニッコリと笑った。
「…分かった。」
どこか悲しそうな。
重たい返事だった。
だけど…。