禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「あとね、神楽さんの秘密。」

「神楽の秘密?!」


「うん。」

「なにそれ?!」



そんなの、あたしさえ知らないのに。



「教えない。宮埜さんとの秘密。」



笑って誤魔化した。



「いいじゃん?あたしにも教えてよ!!」



もしかしたら、それを知ったら今の立場が逆転するかもしれない。



「ダメ!!絶対に教えないって約束だから。」



ペロッと舌を出した。



「宮埜のには黙ってるから。」



食い下がるしかない。



「ヤダ。私が聞いても、これは私から言うことじゃないからって思ったし。奏凛だって分かってるんじゃない?」



なんだろう?



英里奈の口から言えない神楽の秘密って?



あたしが分かってる?



神楽の秘密なんて知らないし…。

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