禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「それならいいかも。調子に乗りすぎだからな。」



クスッと笑った。



晴沢に連れられて、紺屋の住んでるアパートに来て。



来る途中で買った、ポスターカラーで壁一面に『バカ』って書いた。



消せるものにしたのが、せめてもの優しさ。



「ビックリするぞ?」

「だろうね。」



2人で大笑いした。



気づくと窓の外は夕焼けが滲み始めてる。



夕日が差し込む部屋は、春でも少し寒い。

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