禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「寒くない?」



そう言って、ブレザーを脱いであたしに巻きつけようとした。



「大丈夫。晴沢がカゼひいちゃうでしょ?だったら…。」



胸のリボンを外すと、ブラウスのボタンをひとつづつ取っていく。



「なにやってんだよ?!」



慌ててブラウスを掴んだ。



「あたしのこと嫌い?」

「そうじゃなくて…。好きだからイコールヤルって訳じゃないだろ?」


「分かってるよ。ただ…好きだったら、何もかも暖めて欲しいだけ。」



晴沢の首に手を回すと、キスをした。



戸惑ってたけど、優しく抱き返してくれて、ベッドに倒れこんだ。


本当は、暖めて欲しいなんてウソ。

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