禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
晴沢の時は平気だったのに。



どうして神楽にはこんなに恥ずかしいの?



「もう、いいでしょ?」



ボタンを外したワンピースをギュッと掴んだ。



「せっかく、ここまでやったんだ。自分でやって、オレをその気にさせろよ。」

「いいかげんいして!!」



顔が赤くなってるのが分かる。



恥ずかしさと憤(いきどお)りと。



「自分から誘いに来て、逆ギレか?それとも、オレに教えてもらわないと、自分でもできないのか?」



あたしの手を掴むと、ゆっくりと指を舐めた。



「あ…んっ…ん。」



完全に神楽のペースにハマった。



裸のあたしをバスルームまで、抱き上げながら連れて行った。



他の男の匂いも何もかも。



全てを洗い流されて。



あたしのささやかな楽しみになるはずだったのに。



そんな願いも虚しく消え去った。









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