禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「大丈夫。宮埜さん紳士だから。」



ちょっぴり残念そう。



手を出さなかったのは凄いけど。



あれが紳士か?



茶室で大人の事情しちゃう人が?



あそこで、茶会とかしてるのに。



あたしだったら、絶対に行きたくない。



想像しちゃうもん。



「それなら良かった。」



全部の感情をこめて一言。



「おはよう。」



隣に座りながら、晴沢が声をかけてきた。



「あれ?晴沢の席って、廊下側じゃなかった?」



英里奈が席を指差した。



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