禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「変わってもらった。」



少し照れたように答えた。



「ふ~ん。」



何か感づいた?



その返事は。



「紺屋は?いつも一緒なのに。」



突っ込まれないように、話を反らした。



「昨日の夜から、音信不通。」

「彼女じゃなくて?昨日、2人が出てった後に、誰かから電話きてたし。なんか、急いで帰ったから。」


「アイツ、彼女なんかいたんだ。」

「知らないの?仲いいのに。」



不思議そうに、英里奈が聞いた。



たしかに、いつも一緒のイメージ。



「いや。紺屋と知り合ったの、入学式の日に声かけられただけ。」

「なんだ、一緒の中学とかじゃなかったんだ。」



てっきり、同じ中学から来たかと思った。

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